ディッキアの育て方:冬期の管理方法編(2021年版)

ディッキアの冬越しに関しては、正直、最も多くお問い合わせをいただいています。これを記事にまとめたかったんですが、お住まいの環境や設備にかなり差があるので、基本的に個別対応になってしまい、なかなかうまくまとめることができずにいました。とはいえ、ポイントは色々あるかなと思い、今回はできるだけわかりやすく、僕なりに思いつくパターンをまとめてみました。(あくまで名古屋市内の平野部に在住している僕の環境を基準にしての内容になりますので、その点はご了承下さい。)
 
 

<ディッキアの冬越し>

気温が下がってきて、10度に近づいてくると、ディッキアの動きもどんどん鈍くなってきます。もちろん、株のサイズ、コンディション(特に根の張り方)、越冬経験(環境への適応みたいなことですが、意外とこれ、あるみたいです)、置き場所によって異なるというのは大前提ですが、そのまま屋外に出しておくと、葉が傷んだり、最悪枯れてしまうこともあります。そのため、僕は基本的には、10度を切ったら暖かい場所に取り込むことをオススメしています。
 
品種毎に試す余裕が無いので、しっかりしたデータはありませんが、やはりハイブリッドの方が原種よりも強いと思います(原種も、産地の環境によっては、耐寒性の高い品種もあるかもしれませんが、ちょっとまだ調べ切れていません)。過去に、原種ML(マルニエルラポストレイ)の系統は寒さに弱いと聞いたことがあります。これも具体的なデータはありませんが、僕自身、実際育てていて、体感的にそうなんじゃないかと思っています。大株サイズまでいくとさすがにそこまで弱くはないですが、やはり中型以下のサイズの株などは、気温の変化に敏感で、根の動きを止めてしまうように感じます。ヘタをすると拗れます(根が水を吸わなくなるため、葉が谷折り状に反り、赤くなります)。そのため、ML系統は他の株を取り込むより1段階前に、優先的に取り込むようにしています。
 
 

<冬期の管理場所>

管理する場所については、

①温室設備(業務用)

②暖かい(又は加温設備のある)屋内環境

③加温設備の無い屋内環境

④簡易温室

⑤屋外

などがあると思います。1つずつ説明していきたいと思います。

 

 

「①温室設備(業務用)」

正直、やはり寒い冬には業務用の温室は最強だと思います。10度以上を確保できるようであれば、通常の株だけでなく、実生苗や子株などの体力がない株も含めて、越冬できると思います。僕の場合は、最低10度近い温度を確保できる業務用の大型温室を借りているため、すべての状態の株を温室内で管理しています。冬期でも、温室内で未発根株の発根処理や植え替えを行っています。

 

 

冬でも天気がいいと温度が上がりすぎるとか、温室なりの問題点やノウハウは色々あります。ただ、それは各設備次第ですし、そこまでの環境を持っている方は、恐らく自分で解決できる知識をお持ちだと思いますので、ここでは割愛します。

 

 

「②暖かい(又は加温設備のある)屋内環境」

現実的に、この環境の方が一番多いんじゃないかと思います。10度近い温度があれば、越冬自体は全然問題ないと思います。問題は、太陽が当たらない環境で、冬期も成長させるか、休眠状態にするか、だと思います。冬期でも部屋が常に暖かく、日光がガンガン当たる窓辺に置き場所が作れる、というならそれがベストだと思いますが、そんな環境なかなか無いですよね(笑)

 

 

冬期も成長させたい場合は、植物用LED育苗ヒーターマットサーキュレーターの組み合わせが最適だと思います。底面からの温度を確保しつつ、少しでも太陽光に近いLEDを照射できれば、冬期でも徒長させずに維持、成長が可能と思います。また、蒸れを防止して、空気を循環させるためにも、サーキュレーターは必須だと思います。

 

植物育成用LEDライトに関しては、AMATERAS LED(アマテラスLED)Grassy LeDio(グラッシー・レディオ)などの高性能なものや、廉価版だとIKEAのVÄXER(ヴェクセル ※現在廃盤)など、スポット型や、その他にもスクエア型、フラット型などがあります。水草用のADA(アクアデザインアマノ)ソーラーシリーズのようなメタハラ(メタルハライドランプ)を使っている方もいらっしゃいます。場所や育成数に合わせて、能力、照射範囲、電気代、価格等を見ながら調達するのがいいと思います。

 

僕自身は、AMATERAS LED(アマテラスLED)(下記画像)、VÄXER(ヴェクセル)を複数使ったり、中国製の廉価版LEDを色々買っては試しながら、組み合わせています(やはり無名メーカーモノはハズレも多いので、自己責任にてどうぞw)。

 

中国製の四角型LED↓

 

 

IKEAのVÄXER(ヴェクセル)を三連にして使用↓

 

中国製の四角型ピンクLEDと、プログラムタイマー

 

すべてのLEDは、このプログラムタイマーで管理しています。昔からあって、安くて使いやすいので愛用しています。もちろん、もっと高性能なものもたくさんあります。

 

ピンクLEDを使うと、このような怪しい雰囲気に。室内園芸あるあるですね(笑)

 

 

パネルヒーター(ヒーターマット、育苗マット)に関しては、色々なメーカーを試した結果、現在ではこの育苗ヒーターマットを使用しています。これが一番暖まりが良くて、防水で、小さいサイズと大きいサイズがあるので、使いやすいと思います。Sサイズで横53×縦25.5(cm)、Lサイズで横122×縦53(cm)となっています。下の画像はLサイズです。

 

僕の場合は、育苗ヒーターマットの上にトレーを置き、そこに株を入れて、水を張って使用しています。

 

 

 

サーキュレーターも色々ありますが、僕はアイリスオーヤマのものを使っています。

 

僕は植物がある場所だけを育苗ヒーターマットで加温していますが、部屋全体を加温するために、エアコンを稼働させたり、安全なオイルヒーターを使っている方もいらっしゃいます。

 

 

「③加温設備のない屋内環境」

LEDや育苗ヒーターマットなどを用意できず、光を当てたり加温したりするのが難しい場合は、水を切って暗めの部屋で乾燥気味にして越冬するやり方もあります。

 

ただ、難易度は高いと思います。一旦成長が完全にストップする(仮死状態になる?)ので、葉は退色していき、乾燥した根の中には枯れてしまうものもあると思います。そのため、越冬中は完全に成長点が乾燥しきってしまわないように、時々用土を湿らせる必要があります。また、冬を越した後、春先に暖かくなっても、いきなり直射環境には出せません。温かい場所での水やりか、温かい腰水等で根を動かし(起こし?)、回復させてからでないと、光合成によって水分が失われたままになってしまい、未発根時に太陽に当てた際と同じようなダメージが出る可能性があります。

 

 

要は、越冬中も越冬後も微妙な調整が必要となり、それに失敗すると、冬から春の間に、傷んだり枯れてしまう可能性も出てくると思います。また、越冬中光を浴びる時間が短くなるため、水を切っていたとしても、徒長する可能性は高くなります。このやり方にせざるを得ない状況もあるかもしれませんが、僕自身があまり得意でないこともあって、オススメはできません。

 

 

「④簡易温室」

費用対効果を考えると、現時的な選択肢としては一番有効なのではないかと思います。②との組み合わせで、室内に置けるならさらに効果は高まると思います。植物用LED育苗ヒーターマットサーキュレーターと組み合わせれば、かなりいい環境を作れるのではないでしょうか。

 

 

市販の簡易温室(ビニール温室棚)の設置に関しては、記事にまとめています↓

ディッキアの育て方:冬期用簡易ビニール温室設置編

 

僕自身は、上記のビニール温室棚に加え、屋外に下記の0.5坪簡易温室を設置しています。

0.5坪簡易温室(屋外)

 

 

 

 

この0.5坪の簡易温室は、設置過程を記事にまとめています↓

ディッキアの育て方:冬期用屋外温室(0.5坪)設置編

 

 

メタルラック温室(屋外)

また、背が高いマンション型の簡易温室が欲しかったので、市販のメタルラックに、ホームセンターで濃ビとパッカーを買ってきて巻き付けて、簡易温室を作りました。これは、ディッキア育成の先輩が作られていたものを参考にして、見よう見まねで作りました。室内と屋外に設置しています。ビニールは、四隅をパッカーで固定し、正面は、マグネットと洗濯ばさみで留めています。結構湿気がこもるので、サーキュレーターは必須だと思います。成長点に水が溜まった状態で高温になると、煮えて(?)腐ることがあります。

 

 

正面のビニールを開いた状態。日中の気温上昇には注意が必要です。暑くなりそうな日は、朝から正面を開けておいて、夕方に閉じるようにしています。

 

 

 

結構パンパンに詰まってます。

 

 

内外でこれだけ温度差がでることも(上が屋外、下が温室内)。

 

 

サーキュレーターとヒーターを最下段に設置。

 

サーモスタットは最上段に、ヒーターから対角線上の位置に設置。

 

農ビ(農業用ビニール)は、ホームセンターで売っているこのタイプを、サイズに合わせて買ってきてカットして使っています。

 

マグネットは100均の強力マグネットをたくさん買い込みました。

 

防犯用のソーラーライトも複数設置しています。これ以外に、夜間も対応した高性能な防犯カメラも設置しました。

 

ヒーター&サーモはこちら(昭和精機工業 パネルヒーター 250W(グリーンサーモZY-6A付))を使用しています。

 

温度計はこの防滴で内外を計れるタイプ(クレセル デジタルIN-OUT温度計 防滴型 AP-09W)。

 

このアルミシートを内部(背面や底面)に貼ると、かなり防寒になります。テープでスキマができないように貼っています。ビニールとアルミシートの間にプチプチを入れると、さらに防寒性が高くなります。

 

 

コードもできるだけ業務用の丈夫なものや、水気がある部分には防水用のものを使っています。

 

 

パッカーはこの25mmタイプが僕の使ったメタルラックにはピッタリでした。

 

メタルラック温室(屋内)

上記とほぼ同じ仕様で、ヒーター無しにしたものを、室内にも設置しています。

 

 

 

農ビを測ってカットしたり、パッカーで留めたり、防寒の工夫をしたりといった部分は大変ですが、自分の好みのサイズで温室を作れるという意味では、作る価値はあると思います。作る課程で色々なビニールの種類や、暖房器具、パイプの規格などを知るのも、とても勉強になると思います。DIY好きな方には向いていますね。

 

 

「⑤屋外」

基本的には屋外には置きません。ただ、例外的に、しっかり育って根がしっかり張った大型株は、屋外でもノーダメージで乗り切ることができるものもあります。この株なら絶対大丈夫、という自信は無いので、毎年様子を見ながら並べています。途中で脱落して、屋内に移動するものもあります。完全に雨ざらしの場所に置くと、霜や雪で凍傷になって、葉が腐り落ちることがあるので、屋外越冬とはいっても、一応軒下に置いています。その年に植え替えをした株は、根が不十分なのか、脱落する率が高かったので、最近は直近の春以降に植え替えた株は置かないようにしています。

 

屋外でもなんとか簡易的に乗り切れないか、緑の園芸用のパイプで骨組みを作り、農ビを巻いた雨風避けを作ったこともあります。

 

このようにフレームを作り、

 

農ビを巻きます。

 

入り口部分を多少開けた状態にして、パッカーで留めます。

 

温かいので、春先には内部で開花しました。

 

上記のやり方で、2019年の冬は、大株たちは無事屋外無加温で越冬できました。ただ、このタイプだと、空気の動きが無いため、寒いときは冷蔵庫のようになり、暑いときはかなり高温になるため、気温が極端に上下した場合、ちょっとリスクが大きいかと思い、2020年の冬からは不織布に切り替えました。不織布を全体に覆い被せて、たるみが出ないように絞った状態で、洗濯ばさみなどで置き場所の床に固定しています。床の部分には、アルミシートを敷いています。不織布がトゲに引っかかるので、設置が大変でした(笑)

 

不織布内部の様子。

 

 

 

この冬には雪が積もった日もありましたが、無事に越冬できました。

 

多少スポット的に葉に凍傷が出たり、下葉が枯れた株はありましたが、大きなダメージはありませんでした。2021年冬も不織布を採用予定です。不織布は、ホームセンターで売っている普通のものです。パオパオという不織布がいいと聞いているので、今年はそちらも試せたらと思っています。

 

以上、ディッキアの冬期の管理方法編について書いてみました!参考になれば幸いです。まだまだ書き忘れていることが多いと思いますので、気が付いたらどんどん更新していきます。改善点や、他にもいい方法があれば、それも追加していきたいと思います。

 

内容的に間違いやおかしい部分があれば、メール(ninninbgc@gmail.com)かDM(インスタ又はツイッター)にて、ご指摘下さい。どんどん改善して、よりよい内容にしていきたいと思います。

※2021年10月27日更新

 

その他、ディッキアの育て方に関する記事は、下記をご覧下さい

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