ディッキアの育て方:発根方法編
未発根のディッキアを発根させる方法についても、よく質問をいただくので、僕なりのやり方を書いてみました。
<はじめに>
正直、お恥ずかしい話ですが、僕の中でもまだこのやり方だったら絶対というものはなく、実際今でも失敗して腐らせてしまったりしています。なので、あくまで「今自分がやっているやり方の中では、成功する可能性が高いやり方」ということになります。色々な人が工夫して、失敗の少ない発根方法を目指しており、人によって色々な考え方ややり方があると思いますので、参考程度にしていただければと思います。
<発根処理が必要となるパターン>
1:未発根の子株を入手した(子株を外したら未発根だった)
2:ベアルート株(主に輸入のために、根をカットした株)を入手した
3:調子が悪いと思ったら、根が弱かった(張っていなかった、腐っていた、細かった)
<発根処理の方法>
・置き場所
直射を避ける。根が無い(弱い)状態だと水が吸えないため、思い切り光合成させてしまうと、その分株の体力が一気に奪われてしまう。日陰の暖かい場所か、窓辺くらいがちょうどいいかと思う。
・鉢
腰水にできるものなら何でもいいと思うが、僕は主にプレステラ90を使っている。腰水をしたときの深さ的に、根元のちょうどいい高さに水分がくると思う。また、規格的に並べやすいので、複数株での作業効率が高い。
・用土
赤玉土(小粒)か鹿沼土(小粒)のみを使っている。できるだけ有機物を入れない。今は小粒を使っているけど、もうちょっと細かい方(細粒?)が、株の根元の湿度を維持しやすくていいと思うので、今後は細粒に切り替えていく予定。
・腰水
プレステラ90の場合、受け皿の水量は1~2cmくらいがちょうどいいと思う。通常の植木鉢のトレーや、プラカップを使用している。(参考>>ディッキアの育て方:腰水用グッズ編)
・殺菌
腰水用の水は、ダコニールを規定量混ぜた殺菌水を使用する。もし、親株からの取り外しの際などに子株に傷が付いてしまった場合には、ダコニール水で消毒した上で、傷口がしっかり乾燥するまで待ち、その後発根処理に進む。
・通気性
自然の風がベストだが、室内で閉め切った環境の場合は、サーキュレーターなどで緩い風を送る。
・温度
ある程度の温度を維持できると、発根がスムーズな事が多いので、基本的には夏などの暖かい時期に行うが、20度を切るような場合は、爬虫類用のパネルヒーターをセットして、その上に受け皿ごと置いて、温度を高く維持している。
(※2021年10月18日追記)パネルヒーター(ヒーターマット、育苗マット)に関しては、色々なメーカーを試した結果、現在ではこの育苗ヒーターマットを使用している。これが一番暖まりが良くて、防水で、小さいサイズと大きいサイズがあるので、使いやすい。Sサイズで横53×縦25.5(cm)、Lサイズで横122×縦53(cm)。下の画像はLサイズ。
このような内容で、極力、「腐る可能性を低くする」という点を意識して、あとは、腰水が蒸発したら足すくらいで、祈りながら待つ(笑)
<発根までの期間>
発根までに要する期間は、品種や株の状態、環境によってかなり差があると思う。数日で発根することもあれば、1年近く発根せず、カラカラになって枯れる寸前までいってから発根するケースも聞いたことがある。僕の実例では、最短2日くらい、最長4ヶ月くらいで、もちろん、発根せずに枯れてしまったこともある。
<発根の確認>
子株が動き出して、ツヤと張りが出てきて、水を吸い出した感じが出てきたら、そっと抜いて発根したかを確認する。この際、下葉が枯れるのがサインになることがある。慣れてくると、抜かなくても、株を掴んで多少動かして、踏ん張り具合(?)を確認するだけで、発根しているかわかるようになる(ある程度だけど)。
<発根後の扱い>
発根していたら、肥料を混ぜた成長用の用土に植え替える(参考>>ディッキアの育て方:用土と肥料編)。その後、腰水のまま、暖かい日陰→半日陰と、徐々に太陽に慣らしていき、最終的に直射環境に持っていく。
<その他の方法>
色々な方が発根方法を考えて実践していらっしゃいます。もし気になるものがあれば、ネットで調べてみて下さい。
・水耕式:コップなどに水をため、株の根元の先端だけが水に浸かるように固定する方法。
・水苔式:水で戻してしっかりしぼった水苔を株の根元に巻きつける方法。そのまま用土に植えつけたり、薄く水の入ったトレーに入れたりする。
・アクアリウム式:水槽に発泡スチロールなどで作ったフロートを浮かべ、その中央に穴を開けて、株の先端だけが水に浸かるようにする方法。